ご挨拶
「社会福祉法人ぽぽんがぽん」は、障がいのある人々が、地域社会において、健常者と同じように働き、生活し、余暇を楽しめるような社会を実現することを目的として設立されました。
私たちは、障がい者が地域社会において、普通の暮らしがおくれるよう、サポートをしたいと考えております。
また、そのサポートの内容は、決して画一化されたものではなく、障がい者の意思や個性を十分に尊重し、その障がい者にとって最も生活しやすいサポートを目指します。
私たちは、全ての職員・関係者が、障がい者と真正面から向かい合い、真摯な気持ちで、共に生きていける社会を実現するために、精一杯の努力と精進を重ねていきたいと思います。
今後とも皆様方の御協力、ご支援をよろしくお願い申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。
理事長 淺野省三
設立趣意書
これまで、多くの障がい者は親がかりの生活を強いられ、親亡きあとは、施設での生活という選択しかありませんでした。
療育・保護・更生の名のもと、ともすれば障がい者を施設に分離し、「何でも一人でできる」ための訓練に主眼がおかれてきました。障がい者が、一人の人間として、自立した生活を営むための支援やそのような環境作り、いわゆる「社会モデル」の考え方に基づいた取り組みが充分に行われてきませんでした。
このような状況を変革するため、多くの障がい当事者や家族、支援者による地域で共に生きる運動が取り組まれてきました。その大きな潮流のなかで、1999年いばらき自立支援センターが設立され、2001年に特定非営利活動法人となりました。地域での自立支援サービスがほとんどない状況から、自らが事業体としてサービス提供者となり、日中活動の支援、グループホームや自立生活の支援、ホーム・ガイドヘルパー派遣、相談支援等の事業を実施することにより、障がい者の地域での自立生活を支援してきました。
2003年に支援費制度が施行され、これまでの措置制度から利用者がサービスを選択・決定し、事業者との契約に基づいてサービスを利用する契約制度へと障がい者福祉制度は大きく転換されました。2006年には自立支援法の施行、2013年には総合支援法の施行と、行きつ戻りつしながらも前進していると言えます。しかしながら、未だ多くの障がい者が自分の意思に反して施設に隔離されている現実があります。重度の障がい者が地域での自立生活を希望しても、支える制度・仕組みが充分にありません。
私たちの考える自立とは、決して「何でも一人でできる」ことを指したものではなく、相互にささえあう社会のなかで、必要な支援を使い、充分な情報のもと「自分のことは自分で決める」ということです。
障がい者に対して未だ恒常的に排除や人権侵害が続けられている事実があるなか、障がい者が当たり前に地域で自立生活するためには、身近な支援者と共に、障がい当事者が自らの権利を獲得・擁護していくこと(セルフアドボカシ-)が、必要不可欠です。
施設収容型福祉から、地域自立型福祉への転換を真に実現するためには、ノーマライゼーションやインクルーシブの理念のもと、政策決定の場も含めたあらゆる意思形成過程の場への当事者参画が、日常的なものとならなければなりません。
以上のことを踏まえ、わたしたちは、特定非営利活動法人いばらき自立支援センター(ぽぽんがぽん)の理念と活動を継承して、「どれだけ重い障がいがあっても地域のなかで自分らしく暮らす支援」を安定的に多くの方々に提供できる基盤となる社会福祉法人を設立します。
障がいがあってもなくても、誰もがあたりまえに地域で共に学び、共に働き、共に暮らすことができる社会、笑顔あふれつながりあえる社会の実現に向けて、障がい者支援にとどまらず、インクルーシブな保育・教育期の支援事業や、インクルーシブな高齢者の支援事業等への展開を目指します。そして、当事者主体の支援を実践し権利擁護の街づくりに取り組んでいく所存です。
2013年11月20日
(仮称)社会福祉法人ぽぽんがぽん
設立発起人一同
法人概要
法人理念
名称 | 社会福祉法人ぽぽんがぽん |
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目的 | 多様な福祉サービスがその利用者の意向を尊重して総合的に提供されるよう創意工夫することにより、利用者が、個人の尊厳を保持しつつ、自立した生活を地域社会において営むことができるよう支援すること |
代表者 | 理事長 淺野省三 |
所在地 | 茨木市駅前1-4-14 エステート茨木駅前3階 |
法人設立 | 2016年2月1日 |
実施事業 | 生活介護事業 茨木市生活困窮者等就労準備支援事業(スマイルオフィス事業) 茨木市生活困窮者等庁内職場体験事業 共同生活援助事業(グループホーム)(5ヶ所) 居宅介護/重度訪問介護/行動援護/移動支援事業 指定一般・特定・障害児相談支援事業/茨木市障害者相談支援事業 茨木市子ども・若者自立支援センター事業 茨木市ユースプラザCENTER ヘルパー養成講座 地域連携・社会参加促進事業(制度の枠を超えた権利擁護・社会貢献の取り組みとして実施) |
ぽぽんがぽんのあゆみ
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1980年 地域・校区で「障害児」の生活と教育を保障する
茨木市民の会 結成(現 「茨木しよう会」)1984年 「障害者」の生活をひろげる場「どかどか」 開所 -
1992年 結の会 発足 1995年 「障害者」の生活をひろげる場「ぽかぽか」 開所 1996年 地域で自立生活をつくる会「ぽぽんがぽん」 設立 1999年 いばらき自立支援センター「ぽぽんがぽん」 設立 -
2000年 グループホーム「多歌多架」 開所
知的障がいのあるОさんの自立生活始まる(現在3名の知的障がいのある方の自立生活を支援継続中)2001年 特定非営利活動法人いばらき自立支援センター 設立
グループホーム「さくら」 開所2002年 グループホーム「ピース」 開所 2003年 指定事業者としてサービス提供開始(居宅・移動・GH) 2006年 移動送迎サービス(STS) 開始(2023年3月終了)
「障害者」の生活をひろげる場「ふかふか」 開所
相談支援事業 開始2007年 グループホーム「ホープ」 開所
茨木市障害者相談支援事業 受託2008年 グループホーム「おりーぶ」 開所 -
2010年 茨木市障害者相談支援事業 受託(再) 2013年 茨木市障害者就労支援センター「かしの木園」 指定管理(2023年3月終了)
放課後等デイサービス Plus(ぷらす) 開所(2020年3月閉所)2014年 茨木市スマイルオフィス・庁内職場実習事業 受託 2016年 社会福祉法人ぽぽんがぽん 設立
茨木市子ども・若者自立支援センター「くろす」事業受託
いばらき自立支援センター「ぽかぽか」 開所(ぽかぽかとふかふかを統合)2017年 自立訓練(生活訓練)事業をかしの木園内にて開所(2023年3月終了) 2018年 NPO法人を解散し社会福祉法人ぽぽんがぽんへ統合 2019年 茨木市ユースプラザ「エント」事業受託 2020年 地域連携・社会参加 促進事業実施(これまでの自主的な取り組みを整理して事業として明確に位置付けた)
受け継いでいるもの
「ぽぽんがぽんの由来って何ですか?」と良く聞かれます。実は、ひと言ではお伝えしきれない経緯や想いがあるのです。1つの物語のような「由来」について、ぜひご覧ください。
「ぽぽんがぽん」という名前が初めて掲げられたのは、1996年の“地域で自立生活をつくる会「ぽぽんがぽん」”が結成された時です。「ぽぽんがぽん」という良く言えばユニークな、ストレートに言えば変な屋号がいかにして命名されたのかを説明するには、現在も事業所名として継承している「どかどか」「ぽかぽか」の由来について先に説明させていただく必要があります。
実は「どかどか」「ぽかぽか」には「土香土香」「日香日香」という当て字があります。どんなに障がいが重くても「地域」で共に学び共に暮らすということを大切にしたいという想いから、「地域」で暮らすということは、この「地」で「日」を浴びて暮らすことだという想いを込めつつ、また知的障がいがある方でも覚えてもらいやすく、口にしてもらいやすいようにということで、「どかどか(土香土香)」「ぽかぽか(日香日香)」という名前で命名されました。それらを前提とし、これから「どかどか」「ぽかぽか」メンバーの生活支援に取り組んでいく団体の名称を決めるにあたり、当時10代後半~20代前半だったスタッフや仲間が考えたのが「ぽぽんがぽん」です。きっかけは、何となく言いやすく、柔らで楽し気なんじゃないかな、ってなところでした。「もっとかっこよい名前がいい」という意見もある中、それほどかっこいい名前も出てこず、多数決をして3対2という僅差で決まりました。
その後1999年に拠点を構えるにあたり「いばらき自立支援センターぽぽんがぽん」に引き継がれ、2001年にはNPО法人化することになりました。このときの名前は「特定非営利活動法人いばらき自立支援センター(愛称:ぽぽんがぽん)」となり、ぽぽんがぽんという名前は愛称にのみ残りましたが、以後、ヘルパー事業所と相談支援事業所の名前として引き継がれました。
そして時は流れ、2016年。社会福祉法人設立に至った際、遂に改名のチャンスが訪れました。「電話で名乗るのが恥ずかしい」「社名を変えたらもっと求人応募が増えるのではないか」などの意見が内部からも出ていたこともあり、当時の事業管理者たちが改名について検討の場を持つことに。最初の事業所名を使って「社会福祉法人どかどか」という案も上がりましたが、代表理事の淺野が「ぽぽんがぽんの方がいいんちゃう?」と、また障がい当事者でもある管理者の六條が一言「“ぽぽんがぽん”のままでいいんちゃうん?」と。長年、一緒に働いてきたメンバーからの言葉に事業管理者たちも腑に落ちました。なぜなら「ぽぽんがぽん」という名前は対外的にはしっかりと定着していて、多少の照れくささはあるものの「ぽぽんがぽん」はすでに私たち法人のアイデンティティになっていたからです。この名前によって「障がい」があっても、ありのままでいこう、それが支援理念でもあったはずだ、風変りの社名のままで受け入れてもらえる社会であってほしい、法人として多様性や包摂、寛容な社会を体現しよう、という想いを改めて確認し合うことができました。だから、今も私たちは「ぽぽんがぽん」なのです。次の改名の機会までは。
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ぽぽんがぽんの歴史で欠かせないキャラクターが「たぬきのぽんちゃん」です。故・吉田たろうさんに、1999年にデザインしていただきました。
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「伝えたい」は、1996年当時、元事務局長の故・太田卓さんが「どかどか」のメンバーさんと一緒にギターを弾きながら歌っていた時、できた曲です。当時の作業所でのエピソードが歌われています。
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「伝えたい」
『伝えたい』作詞:太田卓&メンバーさん
作曲:太田卓
1ある日 空を 見つめていたら
めんたまに ほこりが 浮いていた
いつもはきづかない そんなことが いっぱいある
いろんなことを 感じてる いろんなことを つたえたい
2ある日 市役所前を 歩いていたら
アスファルトに 雑草が 咲いていた
いつもは きづかない そんなことが いっぱいある
みんな何か 感じてる みんな何か つたえたい
3ある日 安威川を ながめていたら
アルミ缶が 浮いていた
いつもは きづかない そんなことが いっぱいある
今日も何か 感じてる 明日も何か つたえたい
4ある日 遠足で 電車に乗ったら
知らない人と ともだちになってた
ある日 食堂で カレー食べてたら
わたしの 名前を 呼んでくれた
ある日 この街を じっとみていたら
( )
みんなが きづかない そんなことが いっぱいある
きみは何を 感じてる ぼくはそれを つたえたい
きみは何を 感じてる ぼくはそれを つたえたい